[9433]KDDI自社株買い1500億円、償却1億7663万株実施による影響

[9433]KDDI自社株買い1500億円、償却1億7663万株実施による影響について考える

KDDIが2019年5月15日に発表した自社株買い、そして自己株消却について書いてみました。

今更?!と思うかもしれませんがこれ現在進行形で進んでいるんですよね。
正確には
・7300万株(発行済み株式総数の3.10%)を
・1500億円を上限に
・5月16日~12月23日で市場買い付けを行う

というものです。

また進捗も発表しなければならず、10月31日現在では
・3518万株を購入済み
・取得価額の総額990.9億円使用済み

という形になっております。

結果も毎月発表しており、
5月末:77.6億円
6月末:226.3億円
7月末:449.1億円
8月末:689.3億円
9月末:800.0億円
10月末:990.9億円
と順調に買い進めております。

金額としても、購入数としても予定通りはいっていないようですがかなりの数の取得が行われております。

自社株買いとは何か

【自社株買い】とは、企業が発行している株式を市場から買い戻すことを言います。

元々株式会社として誕生した際、資金調達の意味合いで株式を発行しますが、これを買い戻します。
その理由としては株主への還元があげられます。(ストックオプションとしてもありますが、今回は無視します。)

株主への還元として2つの意味合いがあり、【数値が良くなる】ことと【配当が高くなりやすい】といったことがあります。

数値がよくなるとは?

自社株買いを行い、償却を行うと発行株式数が減ります。
その為、1株あたりで計算する指標が改善されます。

PER:株価÷1株あたりの利益
PBR:株価÷1株あたりの資本
ROE:1株あたりの利益÷1株あたりの資本

これらの指標が改善され、株価の上昇にも繋がります。
PERが下がると割安感が出ますし、
PBRが下がっても割安感が出ます。
またROEが上がると収益性が上がります。

実際の市場では割安感や収益性が上がると同時に株は買われる傾向がありますのでその後適切な数値に戻りますが株価は上昇します。
すると会社の価値としては上がりますのでそれ自体もメリットがあるでしょう。

配当が高くなりやすいとは?

自社株買いを行い、償却を行うことで配当が高くなりやすくなります。なぜでしょうか。

それは全体の配当負担が今までよりも減ることになる為、1株あたりの配当に回すことが出来るようになるからです。

会社が1000万株発行しており、自社株買いで100万株買ったとします。
すると900万株になります。

わかりやすいように1株あたり10円の配当が払われていたとします。

すると1000万株発行していた時は1億円必要になります。
ですが900万株に減らした場合は9000万円で済むようになります。

同じく1億円を配当に回そうと思った場合11円使えることになります。
10%配当を増やせるようになりました!

ことはこんなに単純ではないですが、株主への利益還元に繋がります。

なぜ会社は自社株買いを行うのか

現在はかなりの低金利です。
その為、借入負担は小さくなってきており、配当の負担が大きくなってきたというものがあります。

金利は低く、
株主への配当はどんどん増配を行わなければなりません。
そういう意味で企業にとっては株は減らしていった方が財務状況をよく出来るということになっているのです。

ですので定期的に利益からでも借り入れたお金からでも自社株買いを行っていった方が会社にとっては負担が減るため、今後更に買いが進んで行くと思います。

KDDIの自社株買いの影響

現在3518万株の購入が済んでおり、12月に200~300億円購入されると仮定するとあと約606万株~約1000万株されるでしょう。

合計4100万株~4500万株購入されるでしょうから1.8~2%程度の自社株になると思います。
予定では発行済み株式総数の3.1%を予定しておりましたので少し苦戦しているのかもしれませんね。



株価に関しても5月には2550円程度でしたが、現状3100円を超えております。
株高の流れがあったと思いますが、18%も上がっており効果が非常に大きかったと思います。

今後も自社株買いを行っていくのだとしたら上がる余地としてあると思いますね。

ですので自社株買いが行われる銘柄がありましたら、その効果に考えながら購入をしてみるのもありだと思います。
是非組み合わせて利益を狙っていきたいですね。

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